4-1「琵琶湖遊覧設備に対する私見」 大正13年(1924年)6月10日
滋賀の観光振興については県民からも意見が寄せられました。近江織物会社の社長で「縫い目なし蚊帳」というヒット商品を開発したことで知られる柴林宗太郎は、石山地域の観光振興策を県に提案しています。柴林は石山地域の観光の現状について、汽船と鉄道の連絡を欠くため旅客は「不愉快ナル時間ヲ空費」していることや旅人の「旅足ヲ止ムルノ設備全然欠乏セル」状態であると分析しています。そのうえで、鉄道と汽船の連絡をスムーズにし、運動場などの施設を設置するようにと提案しています。しかし彼の提案には、本多のような景観を美しくみせようという指摘はありません。実業家である柴林にしてみれば、旅行消費が気になっていたということでしょうか。【大お1】(柴林宗太郎の肖像写真は『滋賀県がいどぶっく2』より引用)
4-2「石山寺観光パンフレット」昭和初期
石山寺を中心にその周辺の観光地を紹介したパンフレットです。製作年は不明ですが、石山寺の右に東洋レーヨンが描かれており、また琵琶湖ホテルが描かれていないことから、大正15年(1926年)~昭和9年(1934年)の石山地域を描いていることがわかります。鳥瞰図という形式をとることで、実測図ではおさめることのできない空間の広がりを描いています。左端に大阪駅と奈良駅を描いていますが、このあたりに京阪神地域からの集客を狙う意図がうかがえるのではないでしょうか。【昭せ52(28)】



