滋賀県が誕生して百年を記念して、昭和47年(1972年)に県政百年記念事業が実施されました。本展示では、その事業に関する資料のうち、県政百年記念論文・作文募集の際に作成された広告ポスタ-、昭和47年9月29日に開催された県政百年記念式典において配布された記念パンフレット、ミシガン州知事から滋賀県知事に送られた県政百周年を祝賀する書簡、県政百年記念事業のひとつであった滋賀県史昭和編の寄贈に関する文書を取り上げます。【昭05-21~30】には県政百年記念事業に関する記録がつづられており、本展示ではこれらの貴重な資料から当時の記念事業の様子を見ていきたいと思います。
1「県政百年記念論文・作文募集のポスター」 昭和47年(1972年)7月26日
昭和47年7月に県政百年を記念して、滋賀県と県教育委員会の主催で記念論文・作文を募集しました。論文の応募資格は一般県民で、主題は「県政百年にあたり、明日の郷土を考える」というものでした。作文の応募資格は県下の小・中・高校の児童・生徒で、主題は「これからの郷土」または「わたしたちのびわこ」でした。入選各1点、佳作各2点とされ、応募総数は論文が41点、作文が176点でした。入賞者は同年9月29日に県立体育館で開催された記念式において表彰されました。
【昭05-22(31)】
2「県政百年記念パンフレット」 昭和47年(1972年)9月29日
昭和47年9月29日の県政百年記念式に合わせて、記念のパンフレットが作成されました。パンフレットには県政百年記念行事の一覧が掲載されており、芸術祭や美術展といった文化芸術行事から、「スポーツの森」(後の奥びわスポーツの森)の建設といった事業まで幅広く実施したことがわかります。またパンフレットには郷土100人の先覚者が掲載されました。明治から昭和にかけて、政治、経済、教育、文化といった幅広い分野で活躍した滋賀県出身の人物を紹介しています。県はこれら先覚者およびその遺族について県下自治体に照会し、先覚者顕彰の記念品を贈呈しました。
【昭05-25(2)】
3「ミシガン州知事から滋賀県知事への書簡」(昭和47年[1972年]8月18日)
昭和47年8月18日にミシガン州のウィリアム・ミリケン知事から野崎欣一郎知事宛に県政百周年をお祝いする書簡が送られました。これは同年8月1日に野崎知事が記念パンフレットに記載する祝辞を依頼し、その返答として送られたものです。滋賀県とミシガン州が姉妹県州となったのは昭和43年(1968年)からであり、当時はまだ4年しか経っていませんでした。そのためミリケン知事は書簡において、滋賀県が県政百周年を迎え、次の百年の歩みのなかで姉妹県州としての関係が発展していくことを期待しました。平成29年(2017年)にはミシガン州・滋賀県の姉妹提携が50周年を迎え、記念式典・レセプションが滋賀県で開催されました。
【昭05-25(1)】
4「滋賀県史寄贈依頼に対する回答について」 昭和47年(1972年)
本資料は「滋賀県史昭和編」の寄贈に関する文書です。滋賀県は県政百周年記念事業の一環として、『滋賀県百年年表』と全6巻からなる『滋賀県史昭和編』の刊行とを目指しました。百年年表は昭和46年(1971年)に刊行され、続いて県史の最初の巻として、第2巻行政編が昭和49年(1974年)に刊行されました。この文書から刊行された百年年表と県史が日本国内だけでなく国外の大学図書館にも寄贈されたことがわかります。
【昭05-30】