6-1『重要文化財保護法案要綱』 昭和24年(1949年)9月
戦後の文化財保護行政の基本法である文化財保護法は、議員立法により昭和25年(1950年)5月に成立しましたが、本資料はそれとは別に衆議院法制局が作成して検討されていた「重要文化財保護法」の試案です。ガリ版刷り36頁で89条にわたる条文案が示され、調査研究を重視しています。重要文化財保護委員会の附属機関として、国立博物館や重要文化財研究所の設立を明示するなど、現行法に比べて内容がより具体的です。【県立琵琶湖文化館所蔵】
6-2「滋賀県重要文化財目録」 昭和33年(1958年)6月5日
昭和33年(1958年)1月の段階における、滋賀県内所在の重要文化財目録です。国指定の史跡名勝天然記念物の目録と、県指定文化財の目録を併載しています。県として初めて刊行した印刷目録と考えられます。滋賀県文化財保護条例は昭和31年(1956年)12月25日に制定され、翌年8月に最初の県指定が行われました。目録には県指定物件として13件の建造物、10件の美術工芸品、1件の名勝、4件の無形民俗資料、2件の無形文化財が掲載されます。当時は、全国でも先進的な取組みでした。【文化財保護課所蔵】
6-3「挨拶要旨伺(琵琶湖国立公園指定促進懇談会につき)」昭和23年(1948年)4月
昭和23年(1948年)4月15日、彦根市に厚生大臣および飯島公園部長を迎えて開催された「琵琶湖国立公園指定促進懇談会」における、県側の挨拶要旨案です。滋賀県では戦前から名勝地として琵琶湖を整備してきましたが、琵琶湖国立公園期成同盟会では、外国人観光客を誘致し国際親善と経済復興に寄与し、もって平和日本建設の礎石たらしめんことを期して運動してきたと述べています。結果的に、琵琶湖は昭和25年(1950年)に日本初の「国定公園」に指定されています。【昭23-72(44)】
6-4「滋賀県立産業文化館規程を次のように定める」 昭和23年(1948年)10月22日
昭和23年(1948年)11月3日に開館した滋賀県立産業文化館の規定にかかる公報告示(告示第537号)の原議です。産業文化館は本県産業の改良発達と文化の研究向上をともに図ることを目的として設立され、社寺その他の什宝や歴史美術および美術工芸に関する参考品を受託陳列することとされました。文化財の収蔵・展示を行う公立博物館のさきがけで、琵琶湖文化館の前身施設となりました。【昭-02-173(537)】
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6-5「「近江水の宝」選定にかかる承諾依頼について」 平成21年(2009年)
県は平成20年度(2008年度)から22年度(2010年度)にかけて、県内に所在する多様な文化遺産を「琵琶湖と水の関連」という視点から再評価し、その中から特に優れたものを「近江水の宝」として選定しました。本簿冊は平成20年度の31件選定に続き、21年度に21件、22年度に12件を選定して完結した際の一括書類であり、選定候補の調査票や選定委員会の議事録など、選定にかかる具体的な資料を含んでいます。【令2-1123(5)】
6-6「パンフレット「近江のなれずし製造技術」」 令和6年(2024年)3月31日
令和5年(2023年)3月、「近江のなれずし製造技術」が国の登録無形民俗文化財に登録されたことを機会に、ふなずしを代表例とする滋賀県の郷土食「近江のなれずし」について紹介するため、県が作成したものです。登録無形民俗文化財は令和3年(2021年)の文化財保護法改正によって生まれた新しい制度で、無形の民俗文化財を幅広く登録し、これまでの指定制度を補完してゆるやかな保護を図っていこうとするものです。これまで全国的に、地域に根ざした食に関する技術を中心に登録が進んでいます。 【県文化財保護課作成】