5-1『Fine Landscapes on Lake Biwa』 大正11年(1922)4月
エドワードの訪問にあたり、県では敬意を表するため、湖国ニ十勝の画帳を作成しています。知事の依頼により、県内の景勝地が滋賀郡中庄村(現・大津市)出身の画家・山元春挙と、その門人の山元春汀、柴田晩葉、疋田春湖の手で、特別に描かれています。本冊子は、英語で記されたその解説書で、「The Autumn Moon of Isiyama」(石山の秋月)や、「The Evening View seen from the Seta Bridge」(瀬田の夕照)等の見所が説明されています。(寄1-36)
5-2「エドワード筆《富士山》」 大正11年(1922)4月28日
エドワードの署名とともに、来県の年月日が記された富士山の絵です。船上で堀田知事が奉迎文を読み上げ、画帳を献上した際に、下賜されたものと見られます。奉迎文には、「彼ノ富岳ト秀勝ヲ対称スル琵琶湖」という表現があり、琵琶湖を描いた画帳の返礼という意味合いがあったのでしょう。少なくとも2枚以上描かれたようで、珍田接供官と渡辺式部官に送られています。堀田の所蔵分は、いずれかより譲られたか、3枚目のものと考えられます。(寄1-50)
5-3「王太子殿下への献上品のお礼」 大正11年(1922)6月1日
エドワードの秘書官ゴッドフレイ・トーマスが堀田義次郎知事に宛てたお礼状。5月9に日本を出国したイギリスへ帰国中の船上で認められました。「貴殿がイギリス王太子殿下に対して、大変親切にお贈りくださった献上品に対して、殿下の心からの感謝をお伝えいたします。殿下は最初の日本への訪問の記念品として大切にされることでしょう」と綴られています。(寄1-12)
5-4『英国皇太子殿下行啓紀念帖』 大正11年(1922)
エドワードの訪問を記念して県が作成した写真帳。湖国二十勝の画帳に収められた絵と解説の写真等が掲載されています。エドワード帰国後の大正11年7月、県会議員や郡長、新聞社などに贈られました。写真とはいえ、本県を代表する画家・山元春挙らが描いた湖国の情景をうかがうことができ、美術史的にも貴重な1冊といえます。(寄1-51)